また来ますね、小笠原

 夜も眠れないほどの火傷にちかい日焼けをして、あわててローションを買いに走ったり、仲良くなった旅人と地元の酒場に行って地元の方と楽しい話しをして過ごした1週間があっという間に終わり、小笠原を去る日が来ました。

 思えば初めての長い乗船で何をしていたのか思い出せないくらい何も出来なかった往路だったのですが、あと25時間船に乗らなければならないのです。小笠原を去るという寂しさもありましたが、25時間をどう過ごすかの不安も胸に復路のおがさわら丸に乗り込みました。小笠原に降り立ってしばらくは体がゆらゆらと船の上にいる感覚でようやくそれが忘れられたのですが、25時間後には再びその感覚になるのでしょう。

 何はともあれもう少しで旅も終わりです。往路の船と同様、2等客室の場所を確認して甲板に出ました。港には溢れんばかりの人たちが旅人の見送りに来てくれていました。私たちの泊まった宿の従業員の人たちも見えます。沢山の人が船に向かって手を振り、沢山の船に乗った人が岸に向かって手を振っています。船は汽笛を鳴らしてエンジンの音を上げて岸から少しずつ離れていきました。船出によく見るテープを持った人もいました。だんだんテープが切れて海に落ちてゆく光景は別れの寂しさを感じるものでした。船での別れがこんなにも名残惜しい気持ちになるのだと、初めての船旅で感じました。

 船の周りはテープの切れ端が落ちてゆく寂しさがありましたが、少し離れた海の上では大勢の船からの見送りがありました。これも初めての体験で驚きでしたが、観光で使っている船や漁船などが旗を振りながらおがさわら丸の周りを伴走し、乗っている人たちは大きく旗を振り、手を振り、パフォーマンスをしながら見送ってくれるのです。遠くなった岸壁の見送りから海上での見送り、本当に心に残る小笠原になりました。

 船に乗って26時間の遠い遠い東京都ですが、機会があれば是非訪れてほしい場所です。私たちも世界遺産となった小笠原をもう一度訪れてみたいと思っています。